こんにちは。
10月23日、野口修一さんが設計監理された成田市のマンションリノベーションの完成写真撮影に伺ったことは、前回のブログで書きました。
それから10日、撮影した写真の現像作業も終わり、発注していたフォトブックも僕の手元へ届きました。
撮影時には、空間を平面に置き換えた時の紙面の構成、コンポジションと言ってもいいかな、を意識しているんですが、現像時では、切り取られた紙面から撮影時に肌で感じた空気感、直感的な言葉ですが温度、湿度と言ったものまですくい取ることを心がけています。
それは一方で作家の意図を読み込む作業であり、他方で僕の目を通して再構築される新たな作品世界の産物にもなりうるわけです。
ですから、現像作業を終えたときは、いつもどっと疲れるとともに、安堵と喜びが込み上げてくるんです。
今回は、フォトブックの製作もありましたので、総体としての写真を俯瞰しながら、必要なものを選定し、順番を考えて、「本」としての構成を組み直すという作業も加わりました。
それは物語を紡ぐような感じでした。
このアングルから始まって、このように視線が移動していき最後にこういうかたちで終わらせるとか、見開きで、同じ構図ではあるけれど光の入り方が異なるものを並べてみたり、全然違う空間なのに平面構成として類似しているので並べたり、あるいは途中で転調させるために、全く異なる写真を差し込んだり。
撮影は瞬発力、動物的な感性を多用しますが、写真を選定したり構成する作業は言語的ですね。
明日、野口さんの事務所へ写真をお届けに上がろうと思っています。
喜んでくれると嬉しいです。