こんにちは。

この前の休日に、ひとり近所の映画館へ新海誠監督の『すずめの戸締まり』を観に行ってきました。圧倒的な映像美と秀逸なストーリーテリング、テーマの掘り下げに舌を巻いたのですが、どこかでこの映画を観ている僕自身を客観視している僕が拭えなくて、作品世界に没入するには至りませんでした。登場人物が背負う背景の薄さなのかロードムービー故のストーリーの散漫さなのかストレートすぎる感情表現なのか、それとも僕の体調の問題かもしれません。もう一度観てみて、また時間が経つと感想も変わってくるのかなと思いながらこの作品を僕の中で熟成させたいと思っています。

さて、タイトルにも書きましたが、ご縁あって数年前から東京都立墨田工業高校で年に3回だけ授業を受け持っています。どんな授業かと言いますと「夢のマイルーム」という課題が学校で設定されていて、これを生徒さんたちがA3用紙に自由に表現したものを僕が講評するというものです。課題は、全くの自由で、生徒さん自身が住むことを前提にした夢の家、理想の部屋を図面やパース、スケッチなどを用いて表現するというものです。僕は、作品の良いところを見つけて評価するというルールが決まっている中で、生徒さんの作品を一つずつ講評していきます。課題もこのルールも同校のご担当の先生が決められたもので、学生だけでなく僕もこのルールに従って講評をするのです。

2022.11.19 庭の花 スーパータクマー50mmf1.4-6.jpg

こんにちは。

僕が大学生の頃、何の授業だったか定かでありませんが、TVドラマなどで例えば魔法が使えるなど奇想天外な設定についてクレームが入ることはないけれど、食卓のシーンの俳優の箸の持ち方が悪いと抗議されるという話がありました。こんなことを思い出したのは、先日ネットの何かの記事で、最近では殺人シーンではクレームが来ないのに、喫煙シーンが抗議の対象になるというのを読んで、なるほど自分の生活と地続きの慣習や倫理・道徳、文化や教養について人はセンシティブになるんだなあと納得したからでした。

建築の設計でも、こうしたドラマと同様、大きなフレームによるトップダウンが建築の骨子となり住まい手に夢を与えると共に、日常生活を拾い上げてボトムアップさせていくことで住まい手を住空間に着地させるのだと妙に納得して、設計者としてそうした複眼的な視点を持つことを改めて自覚したのでした。

さて過去3回に渡りブログで紹介してきた『幕張のマンションリノベーション2』ですが、今回はその4回目、「住宅を視覚的、空間的にまとめ上げる方法」について書きたいと思います。

2022.07.15 佐藤様邸マンションリノベーション 内観写真-59.jpg

こんにちは。

10月28日の金曜日から30日の日曜日の3日間、山梨県道志村にある『山伏オートキャンプ場』へ紅葉を楽しむキャンプへ行ってきました。今回は、男の子3人のいるお友達家族とのグループキャンプでした。

山伏オートキャンプ場は、道志川沿いにサイトが並ぶキャンプ場で、冬季は閉鎖されます。紅葉も始まり最盛期にはまだ少し早かったですが、それでも千葉とは異なる植生の木々に囲まれ、道志川の澄んだ水を楽しめるキャンプ場でした。同キャンプ場には釜風呂やピザ窯もあり、施設として決して高規格ではありませんが、美しい自然と親切なスタッフの皆さんが出迎えてくれる素朴で居心地の良い場所です。

10月末の道志は、もうすでに初冬。最低気温も3℃ぐらいになることが予想されましたので、灯油ストーブを持参し寝室の寒さ対策もした状態でキャンプに臨みました。

2022.10.28-30 臼井家 山伏オートキャンプ場-12.jpg

こんにちは。

以前このブログで谷崎潤一郎『陰翳礼讃』について書きましたが、この本を勧めてくださったお友達がもう一冊ご紹介してくれたのが岡倉天心(岡倉覚三)著、村岡博訳『茶の本』です。1929年に書かれたもので、もう100年近く前の本になります。『茶の本』は、外国に茶の湯を紹介するために英文で書かれたもので、英題を『THE BOOK OF TEA』といいます。僕は本屋さんに寄るたびに同書を探していたのですが手に入れることができず、先日Amazonで購入しました。茶道は、一つの精神世界を確立している文化領域ですが、建築においては茶室という独自の様式が成立しています。有名なものは、千利休の「待庵」でしょうか。この建築的形式美について、長い間僕も興味はあったのですが、建築を学ぶ上で特に茶室に触れる必要もなかったため、深く学ぶこともありませんでした。今回、お友達が本を紹介くださったことをきっかけにして、少し茶室や茶道について知識を得ようかなと思っています。茶室自体の設計というよりも、建築を設計する上で何かしらの肥やしになるのではないかと期待してもいますので、これから少しずつ読み進めていきたいと思っています。

さて、僕の事務所で設計監理した『幕張のマンションリノベーション2』について過去2回のブログで紹介をしました。初回は概要、2回目はキッチンについて書きましたが、今回は3回目、マンションリノベーションを計画するにあたっての間取りの注意点について書きたいと思います。マンションの住戸改修では、設計段階で気をつけないといけないことがいくつかありますので、これからマンションのリノベーションをお考えの方は、ご参考にしていただければと思います。

2022.07.15 佐藤様邸マンションリノベーション 内観写真-70.jpg

こんにちは。

ついこの前まで暑い日が続いていたと思ったら、朝晩冷え込むようになり随分秋らしくなってきました。もうすぐ紅葉のシーズンですね。

さて、今回は僕の事務所で設計監理した『幕張のマンションリノベーション2』のブログでのご紹介の2回目になります。この計画については、さまざまな角度からブログに書いていこうと思いますし、これから中古マンションを購入されてリノベーションをお考えになられている方にとってご参考になるような事例を紹介できればと考えています。

今回は、キッチンについてフォーカスしてみたいと思っていますので、理想のキッチンをイメージするのに選択肢を広げられる一助になればと思っています。

2022.07.15 佐藤様邸マンションリノベーション 内観写真-47.jpg

こんにちは。

日頃多くの設計者さんが手掛けられた建築について、写真に収めたものをブログでもご披露しておりますが、僕の事務所も建築設計事務所ですので、もちろん設計のお仕事もしております。

今回は、僕の事務所で設計監理してこの夏完成した『幕張のマンションリノベーション2』をご紹介します。この計画は、幕張にある高層マンションの1住戸をフルリノベーションしたもので、お若いご夫婦とまだ小さいお子さんの3人が住まわれます。

建主さんご夫婦が初めて僕の事務所にお越しいただいたのは、2020年の年の瀬も迫った頃でした。ご夫婦は、幕張新都心に住まわれることをご希望されていて、その時はこの辺りの中古マンションを探されているとのことでした。現在幕張新都心のマンション群の建つエリアは非常に人気が高く、中古物件が出ることも稀ですし、出てもすぐに売れてしまうとのことで、そんな中でもご希望に沿った物件が出るのを待ちながら、継続して物件探しを進められていました。

2022.07.15 佐藤様邸マンションリノベーション 内観写真-47.jpg

こんにちは。

僕は、千葉県千葉市で「Smart Running一級建築士事務所」という建築設計事務所をやりながら傍で「Sma-Photo」という建築写真の撮影も行なっています。

特に営業をしていないのですが、有難いことに建築写真を撮って欲しいというご依頼も増えてきました。ご依頼が増えるのはとても嬉しいことですが、ご依頼の内容も多様になり、「外観だけ撮影してほしい」、「外構がまだなので内観を撮影して、別日に外観撮影してほしい」、「カット数を減らして価格を下げてほしい」など、ケースバイケースで撮影プランを検討することも増えてきました。

僕もできるだけご要望にお応えしたいと思っていますし、撮影料もできるだけ抑えてご提示できればと考えているのですが、撮影の内容と価格について僕の匙加減で決めたり、ご依頼主も撮影の内容と価格が適正なのかどうか判断に迷われることもあるのではないかななどと悩みも多くなってきました。

そこで、撮影プランを細かく設定して、ご依頼主にできるだけご要望に合ったプランをお選びいただけるようにと、撮影プランの見直しを行いました。撮影のご依頼を検討されていましたら、まずはこちらをご覧いただければと思います。ご要望の撮影内容や、撮影条件、ご予算もあるかと思いますので、ご不明な点がありましたらこのブログの「アバウト」からお気軽に僕の事務所へご一報いただければと思います。

因みに撮影料についてですが、僕の場合、建築写真を撮影されている東京の一流のフォトグラファーの価格の3/4〜半額で設定しています。一流のフォトグラファーと遜色ない機材、内容の写真をリーズナブルにご提供することを心がけております。

さて、今まで鈴木俊祐建築設計事務所が設計監理された『市原の家』の外観、内観写真を掲載しました。今回は、同住宅のスナップ写真をお披露目します。

2022.07.02-121.jpg

こんにちは。

9月30日の午後から千葉県勝浦市にある『RECAMP勝浦』へ2泊3日のキャンプへ行ってきました。『RECAMP勝浦』は、JR勝浦駅から車で8分、外房の海から少し内陸に入った好立地、高規格のキャンプ場です。今回は、2日目にキャンプ初体験のお友達家族と合流して家族グルキャンを楽しんできました。

『RECAMP勝浦』を選んだのは、お友達家族が初キャンプということもあり、県内でアクセスも良くファミリーでも安心して楽しめるキャンプ場という理由になります。僕にとっても今回は、前々回のブログでも書きましたようにゼインアーツ『ロロ』というテントを購入しましたので、これを初投入するという記念すべきキャンプになりました。

2022.09.30-10.02 リキャンプ勝浦 時田家キャンプ-4.jpg

こんにちは。

僕は、アート作品を鑑賞したり、それについて色々考えたりするのが好きなのですが、同じくらい漫画を読んだりするのも好きです。カルチャー(文化)について、高尚なものをハイカルチャー、大衆的なものをサブカルチャーと大別することがありますが、漫画のような絵画もあれば、エンターテインメントとしてのアニメーションが非常にアート性を帯びていたりするように、近年ではその境界は曖昧になってきているようです。それでもハイカルチャー、サブカルチャーという棲み分けは、少なくともその分類は当面の間は無くならないと思いますが、作品として素晴らしいものであれば、そうした言語的分類に囚われずに作品そのものを楽しめれば良いと考えています。

僕がサブカルチャーに触れるのは、ハイカルチャーに比較してサブカルチャーを享受する人の総数が多い(母数が大きい)こと、またそれ自体大衆性を帯びていることが多い点で、非常に同時代的であるというのが挙げられます。つまりは、世の中を捉える速度が非常に速いということになるかと思います。

僕は、サブカルチャー作品単体を純粋に楽しみもしますが、同時に他作品と比較しながらあれやこれやと考えるのも楽しんでいます。先ほどハイカルチャー、サブカルチャーの境界が曖昧になってきていると書きましたが、そうした思考ではそれらの境界を横断して、というより文化的分類をそもそも考えずに作品世界を自由にサーフィンすることをお勧めします。例えば「大人になる」ということについて、新世紀エヴァンゲリオンにはなくて、フィッツジェラルドや村上春樹にはあるものなどと思考を巡らせると、作品をフレーム化しているものを探し当てたり、思想的背景を読み込むことで僕達の生きる世界を映し出したり出来るのです。

そうした楽しみをするには少々の思考的センスが必要であり、これは多少の訓練を必要としますが、慣れてくると作品と能動的に関わるゾクゾクするような体験ができるようになると思います。それは最近流行りの作品の伏線回収なんかの謎解きよりも楽しいんじゃないかな、と思うのは僕の個人的感想です。

さて、前々回のブログで鈴木俊祐建築設計事務所が設計監理された『市原の家』の外観完成写真について掲載しました。今回は、同住宅の内観写真をお披露目します。

2022.07.02-89.jpg

こんにちは。

先日20歳ほど年下のお友達に谷崎潤一郎『陰翳礼讃』をお勧めされました。そのお友達は、お知り合いから勧められたとのことで読まれているところだったのですが、その内容に感じるものがあって僕にも紹介してくださったのでした。

僕は、高校生の頃、もう30年も前のことになりますが、国語の授業で『陰翳礼讃』を一度読んでいたことを思い出し、けれど時も経ってその記憶もおぼろげでしたので、再読してみようと思いました。『陰翳礼讃』を初めて接するような感覚で読み返し、既に古典であるこの瑞々しく流麗な文章に心を奪われたのでした。

『陰翳礼讃』は、西欧近代との対比において、近代化によって失われつつある日本の暗がりとその静寂、これに混ざり合うような鈍い光の美について書かれた上質の随筆です。西欧近代というのは、産業革命以降の科学技術の発達と工業化によって、衛生的な都市や住環境を作ろうというのが一つにあったのですが、建築的には開口部を大きく取り、電気インフラの流通によって照明が焚かれて、明るく闇を消していくことが健康的な生活環境に結びついてもいました。こうした近代化は、遅れて日本でも進められ、闇の文化が失われていくことへの谷崎の寂しさ、侘しさが翻って『陰翳礼讃』では、闇に照らされる光の美を鮮烈に刻印してもいました。

西欧も前近代には、建築は石造りが多く分厚い壁に構造上窓も大きく開けることができませんでしたから、闇を切り裂くような切り取られた光が暗闇と対比して存在していました。これは西欧二元論的な思想にも通じると思われ、光と闇は相補関係にありながらも絶対的に相入れることのない対極の存在でした。これに対して日本の家屋は、内外部の仕切りにしても間取りにしてもその境界が曖昧ですから、同様に闇と光は溶け合うようで、闇の中に光が弱く滲むようにあるのだと思います。そうした闇の中の光を谷崎は、蝋燭の炎に照らされる漆の椀に、書院の障子に、能楽師の身体に見出したのです。

2022.09.26 長崎キャンプ場 ロロ初張り-2.jpg