こんにちは。
3月に入り気温も上がり、春らしくなってきました。梅の花、河津桜が咲き、これから様々な花が咲き乱れる季節を迎えます。冬の間じっと溜め込んでいた生命の活力を一気に解放するようで清々しく思います。
一方で今年は花粉の量が多く、花粉症のひどい方も多いようです。幸い僕は花粉症ではないのですが、それでも鼻や目がむず痒くなるほどです。この時期は、洗車してもすぐに車は汚れますし、自律神経の不調を訴える方も多いのではないでしょうか。僕も春先は、毎年気分が鬱々としたりざわついたりして少なからず苦しい季節でもあります。春は、自身を取り巻く環境がガラリと変わる時期でもありますから、変化に対するストレスも起因しているようですね。
これは僕の個人的な妄想なのですが、花々が一斉に咲くように、春を迎えるというのは膨大なエネルギーを要することではないでしょうか。命あるものは、自身の内部にある活力を自然界に放出して分け与えることで春という巨大なエネルギーを生み出しているのではないかと思ってしまいます。僕は、漫画『ドラゴンボール』で孫悟空が「オラに元気をくれ!」という元気玉を思い出して、人間を含む自然界のあらゆる生命が悟空に元気を少しずつ分け与える様を想像して、「春ってこんな感じなのでは」と一人でニヤニヤしています。僕の生気を春に奪われているんじゃ無いかと。
さて今回は、一級建築士事務所やしろ設計室の八代国彦さんが設計監理した『吉川美南の家』を撮影しましたので、この住宅の完成写真を掲載します。

こんにちは。
まだまだ寒い日が続いていますが、それでも朝晩の冷え込みが少しずつ和らいでいるのを感じます。陽もずいぶん長くなり、時折漂う風の匂いに春の訪れを感じる今日この頃です。
僕の家の、庭の梅の花も先週から満開です。小ぶりのぷっくりした花びらと繊細なおしべの伸びた可愛らしい造形がエッジの効いた枝ぶりと対照的で絵になりますね。河津桜も咲き始めたようで、いよいよ本格的な春の到来を告げているようです。
さて前回のブログでは、「一級建築士事務所なかおデザイン室」の中尾さんが設計監理された『桜町の家』を完成写真でご紹介しました。今回も引き続き同住宅のスナップ写真を幾らか掲載したいと思います。

こんにちは。
2月も後半に入り一年で最も寒さ厳しい季節ではありますが、昨夜は雷鳴を聞き、遠からぬ春の訪れを感じてもいます。
僕の事務所では、作品発表を考えている住宅の設計が始まり、現在建主さんと共に基本設計を進めています。コロナ禍や円安の影響もあり、建築資材の価格高騰が止まらず設計者も施工者もコスト管理ができない状況の中で、建主さんのご希望にできるだけ添いながらも無駄な要素を省いてタイトに設計することに頭を悩ませる日々です。しかし、僕の事務所にお願いされる建主さんの多くは、機能スペックと同じように建築のデザインや空間要素といった付加価値の部分を求められてご依頼くださるので、そうしたものを削らないようにしてバランスよく良いものにしていければと考えています。この他に横浜市の補助金事業の保育園計画を毎年2から3件やっていることもあり、忙しい日々を過ごしています。
前回のブログでも書きましたが、年明けから始めたスケートもだいぶ滑れるようになって、ストップやバックスケーティングなどに挑戦し始めました。スケートの面白いところは、氷上に乗るたびにスキルアップを実感できることです。一つ一つは小さくても新たなことにチャレンジして都度身体が覚えていく、アップデートしていくというのは、とてもポジティブな気持ちになれて楽しいですね。
さて、昨年末になりますが、千葉県で活躍されている「一級建築士事務所なかおデザイン室」の中尾さんからお声がけいただき、氏の設計監理された神奈川県秦野市にある『桜町の家』の完成写真撮影に伺ってきました。

「あけましておめでとうございます」というには遅すぎる新年のご挨拶となってしましました。
もう2月。僕の事務所でも新しいプロジェクトが始動し、年始に打ち合わせがあったり、建築写真の撮影もあり、バタバタと日々を過ごしていたらあっという間に今年もひと月経ってしまいました。世界情勢の不安定感とそれによる少なからず僕達の生活にまで影響を与えている現状について明るい一年の始まりというわけにはいきませんが、それでも皆様にとって、僕にとって良い年であってほしいと願うばかりです。
先日朝日新聞の「天声人語」に、スマホやタブレットによるパーソナルな娯楽の普及によるテレビの衰退が書かれていて、テレビを囲んでの一家団欒の風景を懐かしむというように締めくくられていました。これについて僕は、「まあそうだよね」と思う反面「そうだっけ」と『家族ゲーム』という1983年に公開された松田優作主演の映画を思い出してもいました。『家族ゲーム』は、元々本間洋平作の小説で、後に長渕剛主演のドラマにもなっています。同作品は、ある家族の元に破天荒な家庭教師がやってきたことによって炙り出される家族幻想の解体を描いたものです。
映画『家族ゲーム』に、家族がテーブルの片側に並んで食事を摂るワンシーンがあります。カメラは、家族をテーブル越しに捉え、その食事シーンをワンカットで映すのですが、これは明らかに家族の視線の先にあるのがテレビであり、テレビという外の世界を映し出す窓に対して家族一人ひとりがパーソナルに関係を持っているという状況を描いています。今から40年も前の映画ですが、そこにはすでに家族という幻想の解体があり、家族幻想を共有することの困難さえ描かれているのです。
僕達は、現在(いま)との比較において、過去を懐かしんだり、懐古的な憧憬を抱いたりします。しかしそれは、概ね記憶の改ざんによって捏造されたもので、そうした過去も現在進行形に時代の変化の只中に位置し、何かを失いながら何か新たなものを享受していたに過ぎないように思うのです。僕は、ここで昔を懐かしむことに否定的なわけではなく、事実に対して記憶というのは非常に曖昧なものだということを再度認識したということです。
人は自分に都合の良いように認識したり、そうなるように事実を捻じ曲げたりする(これも認知バイアスによるところが大きいかもしれません)動物ですが、それは時に日常的にも、大きなフレームを持ち出すならば歴史修正主義など混乱や対立を生む要因にもなりうるのです。そんなことをぼんやりと考えながら、トラブルの種に触れないようにする僕にできる方法があるならば、それはできるだけ一次テキストに立ちかえることしかないように思うのでした。
こんにちは。
先日携帯を開いたらたまたまIQ診断をしませんかというお知らせがあり、興味もあったのでやってみることにしました。22問の設問に答えるだけの簡単なテストで診断結果は有料にてお知らせするとのこと。お金を払うほどのことでもないと思い、ほっておいたら2日後に料金半額のお知らせがあり、1000円払って結果を知ることにしました。先方の思惑にまんまと引っかかったわけですが、自分のIQを知るというのは、なかなか興味深くもあります。IQ130以上ですと全体の上位2%に入るそうです。しかし僕はそれには至りませんでした。予想していた通り凡庸な人間であることを改めて知っただけとなりました。
これと同じ時期にIQにまつわる記事を読みました。それは、IQ141の小学生が学校に馴染めないというもので、IQの高さゆえに周辺環境と折り合いがつけられないことの苦悩と、そうした才能を伸ばしてあげられるようなフレームの構築が必要なのではないかというものでした。この記事について、僕はその通りだと至極納得し、同時に全く異なることを考えてもいました。ADHDなど発達障害は、発達の凸凹が顕著にある状態のことです。発育のある部分は平均的にあるいはそれ以上に発達するが、ある部分では発達が遅れているということです。しかしこれは分母に対する平均値の帯から外れるものを障害と認定しているだけで、もちろんグレーゾーンもありますし、平均値の帯の中にあっても人の脳の成長というのは誰しも凸凹であるはずです。発達の凸凹は、この帯の下にあれば障害となりますが、帯の上にあると特別な才能になるんだよなとIQ141の小学生について思い、しかしその子の脳の発達も多分凸凹なんだろうと想像しました。言語化することで才能であったり障害であったりカテゴリー分類がされることについて、しかし人間は誰もが凸凹な脳を所有しており、加えて精神疾患など脳のバグなどもありますし、そういう意味でそもそも人間は誰しも不完全な存在なんだということでしょう。人は、自分を世界の中心に据えて、それとの比較において世界を認識し判断する点で自分を正として見てしまう認知バイアスが掛かっています。しかし、僕という人間が世界の中心に存在するわけではないということを、自分という存在を常に俯瞰的に見る癖をつけられたらと、僕は、脳の凸凹を抱えながら凡庸な知能指数でそんなふうに思ったのでした。
さて、タイトルの通り今回は新海誠監督によるアニメーション映画『すずめの戸締まり』について書きたいと思います。

こんにちは。
この前の休日に、ひとり近所の映画館へ新海誠監督の『すずめの戸締まり』を観に行ってきました。圧倒的な映像美と秀逸なストーリーテリング、テーマの掘り下げに舌を巻いたのですが、どこかでこの映画を観ている僕自身を客観視している僕が拭えなくて、作品世界に没入するには至りませんでした。登場人物が背負う背景の薄さなのかロードムービー故のストーリーの散漫さなのかストレートすぎる感情表現なのか、それとも僕の体調の問題かもしれません。もう一度観てみて、また時間が経つと感想も変わってくるのかなと思いながらこの作品を僕の中で熟成させたいと思っています。
さて、タイトルにも書きましたが、ご縁あって数年前から東京都立墨田工業高校で年に3回だけ授業を受け持っています。どんな授業かと言いますと「夢のマイルーム」という課題が学校で設定されていて、これを生徒さんたちがA3用紙に自由に表現したものを僕が講評するというものです。課題は、全くの自由で、生徒さん自身が住むことを前提にした夢の家、理想の部屋を図面やパース、スケッチなどを用いて表現するというものです。僕は、作品の良いところを見つけて評価するというルールが決まっている中で、生徒さんの作品を一つずつ講評していきます。課題もこのルールも同校のご担当の先生が決められたもので、学生だけでなく僕もこのルールに従って講評をするのです。

こんにちは。
僕が大学生の頃、何の授業だったか定かでありませんが、TVドラマなどで例えば魔法が使えるなど奇想天外な設定についてクレームが入ることはないけれど、食卓のシーンの俳優の箸の持ち方が悪いと抗議されるという話がありました。こんなことを思い出したのは、先日ネットの何かの記事で、最近では殺人シーンではクレームが来ないのに、喫煙シーンが抗議の対象になるというのを読んで、なるほど自分の生活と地続きの慣習や倫理・道徳、文化や教養について人はセンシティブになるんだなあと納得したからでした。
建築の設計でも、こうしたドラマと同様、大きなフレームによるトップダウンが建築の骨子となり住まい手に夢を与えると共に、日常生活を拾い上げてボトムアップさせていくことで住まい手を住空間に着地させるのだと妙に納得して、設計者としてそうした複眼的な視点を持つことを改めて自覚したのでした。
さて過去3回に渡りブログで紹介してきた『幕張のマンションリノベーション2』ですが、今回はその4回目、「住宅を視覚的、空間的にまとめ上げる方法」について書きたいと思います。

こんにちは。
10月28日の金曜日から30日の日曜日の3日間、山梨県道志村にある『山伏オートキャンプ場』へ紅葉を楽しむキャンプへ行ってきました。今回は、男の子3人のいるお友達家族とのグループキャンプでした。
山伏オートキャンプ場は、道志川沿いにサイトが並ぶキャンプ場で、冬季は閉鎖されます。紅葉も始まり最盛期にはまだ少し早かったですが、それでも千葉とは異なる植生の木々に囲まれ、道志川の澄んだ水を楽しめるキャンプ場でした。同キャンプ場には釜風呂やピザ窯もあり、施設として決して高規格ではありませんが、美しい自然と親切なスタッフの皆さんが出迎えてくれる素朴で居心地の良い場所です。
10月末の道志は、もうすでに初冬。最低気温も3℃ぐらいになることが予想されましたので、灯油ストーブを持参し寝室の寒さ対策もした状態でキャンプに臨みました。

こんにちは。
以前このブログで谷崎潤一郎著『陰翳礼讃』について書きましたが、この本を勧めてくださったお友達がもう一冊ご紹介してくれたのが岡倉天心(岡倉覚三)著、村岡博訳『茶の本』です。1929年に書かれたもので、もう100年近く前の本になります。『茶の本』は、外国に茶の湯を紹介するために英文で書かれたもので、英題を『THE BOOK OF TEA』といいます。僕は本屋さんに寄るたびに同書を探していたのですが手に入れることができず、先日Amazonで購入しました。茶道は、一つの精神世界を確立している文化領域ですが、建築においては茶室という独自の様式が成立しています。有名なものは、千利休の「待庵」でしょうか。この建築的形式美について、長い間僕も興味はあったのですが、建築を学ぶ上で特に茶室に触れる必要もなかったため、深く学ぶこともありませんでした。今回、お友達が本を紹介くださったことをきっかけにして、少し茶室や茶道について知識を得ようかなと思っています。茶室自体の設計というよりも、建築を設計する上で何かしらの肥やしになるのではないかと期待してもいますので、これから少しずつ読み進めていきたいと思っています。
さて、僕の事務所で設計監理した『幕張のマンションリノベーション2』について過去2回のブログで紹介をしました。初回は概要、2回目はキッチンについて書きましたが、今回は3回目、マンションリノベーションを計画するにあたっての間取りの注意点について書きたいと思います。マンションの住戸改修では、設計段階で気をつけないといけないことがいくつかありますので、これからマンションのリノベーションをお考えの方は、ご参考にしていただければと思います。

こんにちは。
ついこの前まで暑い日が続いていたと思ったら、朝晩冷え込むようになり随分秋らしくなってきました。もうすぐ紅葉のシーズンですね。
さて、今回は僕の事務所で設計監理した『幕張のマンションリノベーション2』のブログでのご紹介の2回目になります。この計画については、さまざまな角度からブログに書いていこうと思いますし、これから中古マンションを購入されてリノベーションをお考えになられている方にとってご参考になるような事例を紹介できればと考えています。
今回は、キッチンについてフォーカスしてみたいと思っていますので、理想のキッチンをイメージするのに選択肢を広げられる一助になればと思っています。
