PONTO DESIGNが設計監理されたマンション住戸のリノベーション、『丘の上の家』完成写真

こんにちは。

3月の半ばに、千葉県船橋市の設計事務所「PONTO DESIGN」の新井ゆかりさんが設計監理されたマンションリノベーション『丘の上の家』の完成写真の撮影に伺って参りました。

『丘の上の家』は、「PONTO DESIGN」の事務所でありショールームとしても使用される新井さんのご自宅です。新井さんは、自然素材系の工務店や都内の設計事務所勤務を経て独立された建築家で、千葉県をホームグラウンドにして設計活動を行っています。

撮影当日はお天気にも恵まれ、設計者のご自宅ならではの住まい方の提案がプランに反映された素敵な住戸計画を拝見してきました。

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この住宅は、マンションリノベーションということもあり、基本的には既存の水廻り位置を変更していません。しかし、これらを覆う仕上げのコントロールとその他のプランニングの提案によって既存マンションのプランとは一味違った間取りになっていました。

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基本的には玄関から中廊下を通ってLDKに至るプランですが、中廊下に沿った寝室、仕事部屋は廊下に面して解放されています。マンションの中廊下は、昼間でも照明を焚かなくてはならないことも多いのですが、居室の開放性により明るい動線と空間的広がりを獲得しています。居室のプライバシーは、カーテンの開閉によってコントロールされ、設計者のご自宅ならではのアイディアと割り切りを感じることができました。

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このメイン動線の他に、寝室から仕事部屋、LDKを繋ぐ外壁面に沿った裏動線も確保されていて、住戸内をループするような計画になっています。また、水廻りについても廊下から洗面脱衣、浴室へのアクセスは、裏からキッチンへも繋がっていて、ここでも動線のループが作られていました。ループによる行き止まりのないプランは、機能性向上の他来客時の各室へのアクセスがしやすく、見せたいものと隠したいものを分けるという点でも有効です。何より行き止まりのないプランは、床面積以上に空間に広がりを持たせてくれます。

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全体は、自然素材で仕上げられていて、硬質なものからファブリックに至るまでナチュラルなテイストで統一されているのがとても心地いいものでした。自然素材や天然材料の良い点は、経年変化を楽しめますし、古くなっても味が出ることです。何より肌に触れる部分が気持ちいいですね。デメリットとしては、工業材料を使うのに比べてイニシャルコストがかかることですが、経年による劣化のことを考えると、自然素材を選択するのは良いことだと思います。

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この住宅、撮影をしていると非常に光の回り方が美しいことに気づきます。各所の空間プロポーションのほか、漆喰などの自然素材による光の反射によるものだと思います。撮影した時間は、午後の限られた時間でしたが、とても気持ちのいい空間体験をすることができました。

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新井さんは、自然素材系の設計を主とする工務店やマンションのリノベーションを手がける会社にお勤めの後独立されたとのことで、こうしたスキルを遺憾なく発揮された作品であると思います。こちらの住宅は、「PONTO DESIGN」のショールームとしても使われるそうですので、マンションのリノベーションや自然素材系の建築をご検討されている方にとっては、非常に有効なサンプルとしても機能するに違いありません。

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置かれている家具や小物に至るまで新井さんの設計者としてのセンスを感じられる素敵な住宅でした。千葉の設計者同士、情報交換などもしながら長くお付き合いしましょうとお話をして撮影を終了しました。新井さん、今回素敵な作品を撮影させていただいて、ありがとうございました。

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