一級建築士事務所なかおデザイン室 設計『桜町の家』-完成写真-

こんにちは。

2月も後半に入り一年で最も寒さ厳しい季節ではありますが、昨夜は雷鳴を聞き、遠からぬ春の訪れを感じてもいます。

僕の事務所では、作品発表を考えている住宅の設計が始まり、現在建主さんと共に基本設計を進めています。コロナ禍や円安の影響もあり、建築資材の価格高騰が止まらず設計者も施工者もコスト管理ができない状況の中で、建主さんのご希望にできるだけ添いながらも無駄な要素を省いてタイトに設計することに頭を悩ませる日々です。しかし、僕の事務所にお願いされる建主さんの多くは、機能スペックと同じように建築のデザインや空間要素といった付加価値の部分を求められてご依頼くださるので、そうしたものを削らないようにしてバランスよく良いものにしていければと考えています。この他に横浜市の補助金事業の保育園計画を毎年2から3件やっていることもあり、忙しい日々を過ごしています。

前回のブログでも書きましたが、年明けから始めたスケートもだいぶ滑れるようになって、ストップやバックスケーティングなどに挑戦し始めました。スケートの面白いところは、氷上に乗るたびにスキルアップを実感できることです。一つ一つは小さくても新たなことにチャレンジして都度身体が覚えていく、アップデートしていくというのは、とてもポジティブな気持ちになれて楽しいですね。

さて、昨年末になりますが、千葉県で活躍されている「一級建築士事務所なかおデザイン室」中尾さんからお声がけいただき、氏の設計監理された神奈川県秦野市にある『桜町の家』の完成写真撮影に伺ってきました。

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中尾さんとは、以前中尾さんの設計された『垂木の平家』を撮影させていただき、その圧倒的な木架構による空間分節の妙と和の要素を感じられるデザイン、細やかなディティール設計に舌を巻いて以来のおつきあいになります。

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今回の『桜町の家』は、親子3世代が住む二階建ての木造住宅になります。建築のフレームに対して必要とされる部屋や機能要素が多いため各所タイトに設計されたこの住宅は、しかし中尾さんの設計スキルによって無理なく非常に上手にまとめられていました。これは設計者のバランス感覚によるところが大きいですね。建築全体を一掴みにするような空間デザインというよりも建築ボリュームに対して機能諸室をまとめた各要素の交わる部分やずれに上手く空間デザインを差し込んでいて、またそうしたデザインが非常に自然に存在してもいました。

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特に僕が良いなあと思ったのは、1階リビングの下屋の天井の処理です。木架構をあらわしで表現しながら一続きの下部空間を柔らかく分節して幾らかの場を作っているのが、そのプロポーションと相まってとても心地よく感じました。

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この住宅は、建主さんのご希望で名木を各所に使われていて、例えば2階へ上がる階段の段板は一段一段全て異なる種類の木材を使用していたりと、目にも楽しいものでした。

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年内お引き渡しのために工務店さんが残工事をしている中での撮影となり、中尾さんもハラハラされたかと思います。工務店さんも撮影に際して逃げていただきながらの工事となり、ご迷惑をお掛けしました。それでも中尾さんが意図された設計意図を汲み取りながら美しい空間に対峙できるのはとても楽しいことでしたし、またそうした建築の持つポテンシャルを写真に残せているようでしたら幸いです。

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これは余談ですが、中尾さんは独立される前にある有名建築家の建築塾に通われていたそうです。その時一緒だった塾生が、なんと僕が専門学校で講師をしていた時の教え子で、今回その彼がこのお家の内覧に訪れて嬉しい再会を果たしました。今度3人で食事をしましょうと約束をしましたがそれぞれ忙しい身ですからその約束は一度流れてしまい、せっかくなので僕も取り急ぎではなくて腰を落ち着けてお話ししたいと改めての再会を約束しました。お二人に会えるのは春ごろになりそうです。その日を今から楽しみにしています。

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