2016年3月7日、時折雨脚が強くなる天候のもと、埼玉県深谷の住宅の配筋検査が行なわれました。
検査は午前9時30分から。幸いなことに検査中は、雨も小降りになりました。
工務店の現場監督深谷さんの立ち会いのもと、設計者である僕と構造設計の桑子さんがチェックを行ないます。
木造の住宅でも地面に設置する部分は、鉄筋コンクリートの基礎にするのが主流です。
この住宅は、ベタ基礎といって、土台を敷くための立ち上がりのみを鉄筋コンクリートの基礎にする布基礎と異なり、建物の形状に合わせて耐圧版という地面に設置する床のような基礎を採用しています。
現在、布基礎よりもベタ基礎の方が一般的なんですが、これは、建物の荷重や地震力、風による横からの力を基礎に伝達して、分散してこの力を受けるのに適しているからなんです。
基礎は、コンクリートのみではなく、中に鉄筋が入っています。コンクリートは圧縮には強いのですが引っぱりに弱いので、逆の特性を持つ鉄筋と合わせて鉄筋コンクリート造にするのです。
配筋検査では、構造設計通りに鉄筋が施工されているかを確認するのですが、その他にも、鉄筋どうしの重なりや結束、補強の仕方、コンクリートが上手く入るかどうか、鉄筋のコンクリートからの被りがとれているかというようなことを確認していきます。
出来上がると見えなくなってしまう部分ですが、この工程をきちっとしておかないと、基礎の破壊や内部の鉄筋の腐食など、後々建築をダメにしてしまうことになるので、設計も施工も気を抜かずにチェックしていきます。
深谷の住宅では、耐圧版の被り厚の指摘が数カ所あっただけで、問題なく検査を終えることが出来ました。
この日の午後に指摘事項は是正され、翌日にはコンクリートが打設されました。
配筋も美しく、鉄筋工の職方さんも腕がいいし、現場監督の深谷さんのチェックも抜かりないものでした。ありがとうございます。
次回は、建て方が待っています。待ち遠しいですね。