美浜区のマンションリノベーション、持井工務店と木工製品

こんにちは。

2022年2月5日の土曜日、千葉市美浜区にあるマンションのフルリノベーションの工事請負契約に立ち会ってきました。

この計画は、中古で購入された延べ床面積100m2弱の高層マンションの一室の全面改修になります。建主さんは、お若いご夫婦とまだ小さいお子さんの3人のご家族で、僕の事務所へ訪ねてこられたのはもう1年以上前になります。マンション探しから始まり、昨年はじめにご希望の物件が決まってから計画がスタートしました。

奥様は美術大学出身で、今回の計画でご自身にとって理想の住まいをつくられることを望まれていました。もちろん、お家をつくられる方は皆さん理想の住まいを実現したいと思ってらっしゃいます。しかし、こちらの建主さんは、デザインの細部、照明器具や金物の一つまでこだわられて、僕と一緒に一つ一つ設計を積み上げながら図面を完成していきました。つまりは、建主さんと僕のコラボレーションによる計画ということになります。案を繰り返し練り上げ、結果的に新築住宅並に時間もかかったわけですが、今回ようやく工事請負契約に至りました。

今回の工事では、建主さんご自身で施工する箇所もあり、まさに建主さんと設計、施工の三者でつくりあげるお家になると思います。工事の進捗については、今後このブログでも書ければと思っています。

建主さんと工事請負契約をされたのは、千葉県船橋市にある株式会社持井工務店さんです。持井工務店は、大正13年創業の老舗工務店で、現在の社長は四代目になります。木造建築のプロフェッショナル集団で、職方さんの腕の良さには目を見張るものがありますし、材木問屋さんよりも抱えてらっしゃる木材が多いんだそうです。そんな持井工務店とまだ新築のお仕事をご一緒したことはないんですが、以前やはり美浜区のマンションのキッチン廻りのリノベーションをやっていただき、その時はキッチンを完全造作で作っていただきました。その完成度の高い仕事は、惚れ惚れするものでした。木材を無垢で使用する箇所は、社長自ら樹種を選んでくださり、僕の予想を遥かに上回る材を使っていただきました。またお仕事をご一緒したいなあと思っていた矢先、今回の計画があり持井社長にお声がけしたのでした。

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工事請負契約も無事結ばれホッと一息ついていると、持井社長が木製の皿とターナーをお持ちになられて、持っていってくださいとのこと。お聞きすると、材の有効利用でこうしたプロダクトを作られていて、販売されているんだそうです。ターナーの一本はシュリザクラで他のものは山桜になるそうです。シュリザクラは量がとれないらしく、市場に出るとまとめて購入するとおっしゃっていました。山桜も木目や色味は様々で、その一つ一つが個性的で美しいものでした。手に馴染む桜の質感も素晴らしく、またデザインもシンプルで飽きのこないものです。皿も直径21cmで本当にちょうど良い大きさで、料理の盛り付けも楽しくなりますね。

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いただいたものがとても良いものでしたので、図々しい僕も恐縮しましたが、それでもありがたくお譲りいただきました。こちらの木皿とターナーは、ツクツク(tsuku2)という通販サイトで購入が可能です。ターナーは、右利き用、左利き用それぞれあるそうです。僕も木皿を揃えようと帰ってから早速追加購入しました。贈答品としても良いと思います。

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午前中の工事請負契約を終えて、僕はその足で現場に向かい、第一回となる現場定例会議となりました。ご契約に先行して持井工務店さんが現場解体をしてくださっていたので、ある程度スケルトンになっている状態でお若い大工さんお二人と持井社長との打ち合わせになりました。僕も何度も現場へ赴き現調、採寸をしていたのですが、解体してみると寸法を追い切れていない箇所や床壁天井に隠れて確認できなかった部分が出てきて、検討事項の多い濃密な打ち合わせとなりました。それでも大工さんが気になる箇所、問題点等を洗い出してくださっていたので、話はスムーズでした。現場によっては、何も考えずに工事をはじめて、問題があると足算的に処理する監督さんや職人さんがいるので、そうした場合は当初の設計とどんどん現場が乖離していくことがあります。持井さんの大工さんは、設計図書を綿密に読み込んで設計から実現に至る道程をイメージしてくださっていましたので、早い段階で問題点を抽出することができるんですね。この最初の打ち合わせで、控えめに言って最高と思わせるそんなお若い二人の大工さん達でした。持井社長もポイントを押さえてご対応くださり、また腕の良い大工さんを育てられているということに僕もグッとくるものがありました。

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この日は工事請負契約からぶっ通しで7時間の長丁場の打ち合わせとなり、僕もヘロヘロになって帰ってきました。それでも、内容の濃い充実した打ち合わせに満足し、少なからず高揚感もありました。現場はまだ始まったばかりですが、丁寧に監理していければと思っています。完成は5月の予定です。進捗に合わせて、またレポートしたいと思っています。

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こちらのターナーは、シュリ桜。品の良い奥行きのある赤みが特徴です。

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こちらは山桜。

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こちらも山桜。木目によって表情が随分違いますね。