「地方」の在り方を考える -甲府と千葉をモデルとして-その2

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2015年5月6日(水)こどもの日の振替休日でゴールデンウィークの最終日に、唐突ですが豚肉を買いにいきました。

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家の近所のスーパーでは、各店舗ごとに様々な千葉県産のブランド豚肉が売られています。ところがどれを選んで食べてみても豚肉特有の旨味がなく、簡単に言ってしまえば味が薄い。横浜で生活していた頃、お肉屋さんで買っていた豚肉はブランド名なんてなかったけれど、しっかりした豚肉の味があったのに、なんだか残念に感じていたんですね。

千葉にだって美味しい豚肉があるはずだ、そう思って調べたところ、市原市の養老渓谷に「比留川畜産」という畜産農家を見つけました。小売もしているそうなので、早速行ってみることにしました。

家から車で1時間ほど、石神畜産団地という山一つに多くの畜産農家が密集しているそのひとつが「比留川畜産」でした。

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もう本当に畜産場。こんな場所で豚肉を販売しているのかしら?と見回すと、入口の端に無人販売の小屋がひっそり建っていました。扉を開けると冷凍庫が1台置かれていて、中を見ると、豚のもも肉とバラ肉、ミンチ肉とソーセージが小分けにされて入っています肩ロース肉とか無いんだな、仕方ない。もも肉とソーセージを取ってお金を冷蔵庫の隣に設置してある木箱に投入して、収穫が薄かったことに少々残念な気持ちで車に乗り込みました。

と、奥から畜産場の奥さんが出ていらしたので、他にお肉はありませんかと訪ねてみます。量はそんなに無いけれど、ロース肉と肩ロース肉はありますよ、とのこと。少し待つと奥さんは、お肉を発泡スチロールの箱に入れて持ってきてくださいました。

「保冷バッグ持ってきたので箱はいいですよ。」と僕。

「解凍は冷蔵庫でしていただきたいので、それまで溶けないように持っていってください。この肩ロースは昨日出来たもので、こっちのは1週間前のものです。個体差もありますし、味やかたさも違います。それから、できれば調理の味付けは薄めでお願いしたいです。塩だけでも十分美味しいと思います。私たちは、お肉の味を確かめるため、味付けせずに食べているくらいです。」と奥さん。

むむ、生産者の相当なこだわりに圧倒されます。

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こちらが戦利品。その日の夜、家族で焼き肉をして美味しくいただきました。言われたように塩で食べてみたんですが、お肉の味が濃厚で脂が甘い、大変上等なものでした。

しかし「比留川畜産」、調べるのに苦労しました。ネット検索でたどり着くのが大変でした。

ここで僕が考えたことは、

1:地方には、地産の美味しいものがある

2:しかし生産者と消費者を結ぶパイプが細いと、認知されにくい

です。当たり前のことですが。

このパイプをつくることが重要なのですが、前回のブログの渡邊君やダイニングバー「Four Hearts」の経営者が生産者と消費者を結ぶキーマンとして機能すると思っています。そしてこれを駆動させるエンジンは当事者意識であるようにも思うのです。

大都市発信によるトップダウン式、あるいはネットワーク型のシステムの構築や識者を入れた地方希少価値の創成とか、逆にご当地グルメのような地元発信の商品開発など、地方を活性化させる方法は色々あると思います。ここでは、これらの是非を言うつもりは無く、また語ってもいません。ただ、生産から消費のパイプを太くするとともに、コンパクトな距離感で流通されること、また価値あるものを価値あるものとして提供出来るような試み、そうすることでより豊かな日常生活をおくることが出来るのではないかということのみを書いているつもりです。

休日に道の駅に寄ってみると、以外と地元産の野菜が少なかったり、高価だったりして、スーパーマーケットと差別化されているとも思えないし、それなら近所のスーパーで買い物すればいいやと思ってしまう。

千葉駅の近くにはバルやビストロが一軒もありません。一軒もですよ。地元の食材を使った正統的なお料理を安く食べて、少しお酒を飲むという環境が無い。僕は勝浦担々麺や竹岡式ラーメンだけじゃなくて、日常的に美味しく楽しめる普通に調理されたパスタを食べたいんです。それって文化的な厚みでしょ。

僕は選択出来る環境づくりを望んでいます。住宅だって地場の工務店とかハウスメーカーの他に、建築家だっているよっていう選択肢の多様性。

いいものは地元にたくさんある。そうしたものを地域で提供出来るパイプづくりこそ大切だなあと思いますし、それが出来る人材こそ貴重なのではないでしょうか。結局人なんだと。

まとめ。

そこにあるものの価値をみいだして、いい感じで日常生活に持ち込め。

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比留川畜産」の奥さんにとれたての卵をいただきました。美味しく食べました。ごちそうさまでした。また伺います。