2015年5月26日(火)快晴。千葉県東金市にある里山の住宅の現場定例に行ってきました。
汗ばむ陽気、すでに初夏を感じさせます。
敷地周辺は緑深く、山の木々に囲まれて、白い三角屋根がひと際存在を主張します。自然と人工物の対比的な公図。例えばクリストのアンブレラのように。
現場監督との打ち合わせ。施工上より良い納まりを探っていきます。「デザインはディティールに宿る。」誰かが言っていました。図面を頭に入れて、空間プロポーションを見ながら完成予想を最大限想像しての細部の決定の作業は、程よい緊張感とともに高揚を与えてくれます。
建物内部では、内装屋さんが天井下地を施工していました。床から高さ1800mm、一間の開口内法に合わせて勾配天井がつくられていきます。今回は寸法の微調整を行なうために軽テンが採用されました。開口上部に垂れ壁をつくらないこと、建物の四周をぐるりと1800mmの高さにそろえることで、余計な空間要素を削ぎ落とし、外から入る光と外の風景を切り取っていきます。
天井の勾配は、屋根の勾配を利用しながらも、内部空間、気積をコントロールするために勾配角度を4面でずらしています。この家は部屋と部屋、屋内と屋外をグラデーショナルにつなぎながら、決定的に設計コントロールにおいて幾何学的に切り取ることを目指しています。から傘の家のように。白の家のように。直方体の森のように。
工事が進むにつれ、設計で意図したものが実体として立ち現れることを楽しく感じます。同時にこの家をお施主さんが豊かな生活を包摂する舞台として仕上げていくこと、引き続き、緊張感を持って工事に当たりたいと考えています。
PS.
現場に伺うたびに、お施主さんから畑で穫れたものなどを頂戴します。里芋、タマネギ、この日は淡竹をたくさんいただきました。早速お味噌汁と煮物、炒め物にして美味しくいただきました。いつもいつもお心遣いに心温まり、感謝でいっぱいになります。ありがとうございます。この場をお借りして。