山梨県中央市の住宅2 -配筋検査 必ず基礎配筋写真をUPするわけ-

お盆休みも終わり、世の中がまた忙しく回り出したのを感じています。

僕の家では毎年13日に盆棚を飾り、お墓にご先祖様をお迎えに行き、お坊さんにお経を唱えていただいて、15日にはまたお墓へご先祖様を送りにいくという3日間が夏休みです。この期間は家を空けられないため、行楽に行くということもないのですが、それはそれで僕にとっては体に染み付いたルーティンでもあるわけです。

さて、少し前のことになってしまいましたが、2016年8月1日(月)、山梨県中央市の住宅では、配筋検査が行なわれました。

直前までゲリラ豪雨というのかな、とにかく凄い雨に見舞われたのですが、検査の際には雨も上がり、丁寧なチェックを行なうことが出来ました。

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検査には、僕たちが設計でいつもお願いしている構造設計者の桑子亮さんにも立ち会っていただきました。桑子さんは、検査の30分も前に現場到着して、一通りチェックを終えられていました。

検査では、設計図書通りに配筋されているか、鉄筋の被り厚、鉄筋の定着長さと方法、スリーブ部分の鉄筋との取り合いのいくらかについて指摘がありました。良好な配筋の状態ではありましたので、是正箇所を鉄筋工の職方さんに直していただいて、後日コンクリートの打設となりました。

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僕はどの建築でも、設計した建物の基礎の配筋検査の写真をブログにUPすることにしています。何故かといえば、自信があるからです。そして、お施主さんに安心していただきたいと思っているからでもあります。

日本では、職方さんの人工代や材料の高騰によって、10年前と比較しても建物自体の金額が上がっています。それでも出来るだけ金額を抑えて実現に結ぶように、設計も施工も努力しているのですが、一方でやはり安い住宅というのも存在するわけです。同じ価格で1.2倍の広さのお家が建てられるなら、お施主さんもその方がいいと考えるのも無理もないわけですが、そうしたお家の場合、材料と工法の効率化によって、そうした金額を実現してもいるんですね。

もちろんそうしたお家を否定するつもりもありません。ただし、設計の自由や材料の選択は利きません。以前にもブログで書きましたが、お施主さんにとって家とは、どのように住むのか、如何様な住まい方がアメニティを獲得するのかという部分も重要であり、住まい手の生きてきた環境や家族の構成、家族間の距離、生活の習慣といったものまでを請負い、それを住まいとしての建築に包摂させる役割を担わせることも、僕たち設計者に課せられたものなんですね。

それはお施主さんによって全く異なるアプローチが必要な部分であり、個別解としての一品生産品をつくるということでもあります。

さらには、お安い住宅の場合、一概には言えませんが見えない部分から減額していくということもあります。今回の基礎配筋のように、コンクリート打設後には見えなくなってしまう部分、しかし、建物を地面に定着させる重要な箇所について、金額を落とすために配筋量を削ったりすることは、僕たちの設計では、絶対にやらないんですね。

検査の日、監督の角田さんが「ビルが建つような配筋だねって話してたんですよ」っておっしゃっていました。それは大げさかもしれませんが、とにかく見えなくなって隠れてしまう部分であっても、手を抜かず、しっかりしたものをつくろうという意識が僕たちや構造設計の桑子さんにはあるんです。

住宅は、ファッションではありません。何十年も住まい続けられるものを提供できるように、それは構造、工法のみならず意匠に至るまで、僕たちは良いものをつくろうと奮闘しています。そして、このお家も良いものになるように、引き続き監理していきたいと思います。

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