埼玉深谷の住宅も無事お引き渡しを終え、前回は外観写真をUPしました。
ひとつの住宅の写真を小分けにしてしまうと、内容が薄まると思いましたので、立て続けに内観写真、夕景写真をUPすることにします。
そもそも僕が建築写真を撮ることになったのは、住宅一軒の設計料から写真撮影費を捻出することが難しいから、というのが本当のところではあります。それでも今までは、僕の写真撮影の技術が追いつかなかったため、プロの写真家に撮影していただいておりました。
建築写真を本業にされてる写真家の方々は、作家性の高い、素晴らしい写真を撮ってくださいます。逆に、以前ネットで調べてお願いした写真家の写真があまりに下手で、これだったら自分で撮った方がマシだなと思うようになったのも事実です。
僕には、写真の師匠がふたりいます。
一人は、うちのボス、まあ妻なんですが、彼女は学生時代、長期の休みを利用しては一眼レフと大量のフィルムを持って中東からヨーロッパを撮影して回っていたようで、スナップや街並、建築を問わず、玄人はだしの腕前を持っています。こだわりのない性格のためか、今ではほとんどカメラを持つこともなくなってしまいましたが、昔は「ちょっと貸して」と言って僕のカメラを使って同じモチーフを撮影しては、こんなにも違うのかと何度も僕の心をくじいた記憶があります。
彼女は理論的で、僕の写真の何が悪いのかを的確に指摘するので、まあ頭にも来るのですが、勉強にもなりました。
もう一人は、建築写真家の平井広行さん。僕が修行していた入江事務所からのお付き合いです。平井さんは弟子をとらないので、撮影の時は設計事務所のスタッフが同行していろいろお手伝いをするんですね。歪曲収差の小さな大判のカメラで撮影されていたので、技術的なことはさっぱり分かりませんでしたが、構図の取り方については何でも教えてくれました。平井さんは、倉又史郎さんや岸和郎さんについて彼らの作品を撮影してきたので、設計者の意図するものを切り取り、同時にご自身の作品にまで昇華する術を持ち合わせていて、アングルのとりかた一つでも大変勉強になりました。
それでまあ、僕はフィルム写真の撮影技術は乏しいのですが、アングルの見極めやフレームの切り取りなんかにはかなり自信があったんですね。
時代が変わって、世はデジタルカメラ全盛となりカメラの性能も向上して、僕の技術でも表現したいものを撮ることが出来る、そうしたカメラやレンズと巡り会うことも可能になったわけです。カメラを愛でるのも一興ですが、僕にとっては撮った写真がどうであるかの方が重要ですし、プロの写真家ってそういうものですよね、もちろん。写真で嘘はつけますけど、写真の善し悪しに嘘は無いと思っています。
まだまだ道の途中ではありますが、ようやくお金をとって写真を撮影するレベルになってきたかなと思います。
というわけで前置きが長くなりましたが、埼玉県深谷の住宅の内観写真と夕景写真になります。ご一覧いただけましたら幸いです。