こんにちは。
2019年8月3日、アーキヴィジョン広谷スタジオさんが設計監理された「レイモンド下高井戸保育園」の完成写真の撮影をしてきました。過去2回のブログで、同園の外観と内観の写真をお披露目しましたが、今回は建築写真撮影の合間に撮ったスナップをご覧いただければと思います。
最近僕は、建築のスナップ写真に力を入れています。というのも、従来の建築写真というのは建築を純粋に、かつ形態や空間を説明的に記録するために、その多くが人の暮らし、生活を排除しているようにも思われ、建築というのは人とその暮らしを包摂するものであるのに、建築の自立性ゆえの人間の排除というのは如何なものか、と考えるようになってきたからです。
最近では、SANAAやアトリエワンの作品をホンマタカシさんが撮影されたり、中山英之さんの設計された住宅をファッション写真家の岡本充男さんが撮られていたりして、建築写真の価値の幅も多様になってきたと思います。しかし、先に申し上げた建築写真の矛盾を抱えた現実について、建築を取り巻く価値基準においてはまだまだ少数であるのも事実です。
僕自身、どのように建築写真を撮れるかということについては思案の途中でもありますし、また大胆なことができない性分も手伝って、なかなか建築写真のレギュレーションを放り投げることは叶いません。叶わないので、きちんと建築写真のセオリーに則った写真を撮影しながら、しかしスナップを通じて人の体験の側から建築の持つ空気感、温度や湿度、人の暮らしのかけらを記録してみようとも思っているのです。
というわけでカールツアイスのプラナー50mmf1.4一本、開放で撮影したスナップをご覧ください。