2019年9月14日、台風後の千葉県鋸南町へ行ってきました

こんにちは。

先週の土曜日9月7日の深夜に関東地方に上陸した台風による被害は、予想以上に大きなものとなりました。被災された皆様には、まずはお見舞い申し上げます。

幸いなことに千葉駅近くの僕の事務所、市原市にある自宅とも停電や断水もなかったため、生活面で苦労することはありませんでしたが、息子の通う保育園は木曜日まで停電、断水が続き休園を余儀なくされましたし、息子のお友達の家の何軒ものお宅がやはり停電でご苦労されていました。ご自身が被災者であるにも関わらず、開園に向けてご尽力された保育士の先生方など、災害時の混乱状況で駅の長蛇の列に並んでまで仕事をする日本人などと揶揄することも言われたりしていますが、それでもその混乱に対してご尽力いただいている多くの方々のお力によって、被災地、被災者は救われているのだと改めて思った次第です。

僕の生活圏では、台風直撃後の1週間で生活に支障のない程度にインフラも整備されましたが、9月15日現在、まだ停電、断水が続いている地域も多く残されています。

僕の母の生家が千葉県の鋸南町という鋸山の近くにあり、やはり停電、断水のほか、電話やWIFI環境がやられてしまっています。母の生家は内陸に位置していますが、東京湾沿いの海辺まで車を走らせれば神奈川の電波を拾えるようで、木曜日になってやっとおじと電話が繋がりました。また、その家の娘さん、僕のいとこが幕張に住んでいることもあり、色々と教えてもらって昨日土曜日9月14日に現地に行ってきました。

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いとこから高速道路は問題なく通っていると聞いていたので、出発の朝まで高速を利用しようと思っていましたが、街や沿岸部の被害状況など見ておきたいと思い直し、国道を使って南下することにしました。地震とは異なり、いくらか信号が死んでいましたが、現地まではスムーズに行けました。倒木、建物の倒壊、屋根や外壁の破損など、市原市と比べてもその規模は大きかったですが、外から見ただけでは被害のある建物は点在するにとどまり、立地条件や風の回り方、建物の老朽度によるところが大きいという印象を受けました。

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東京湾沿岸を走り、保田駅から内陸に入っていくのですが、途中道の駅や小学校は、電力会社や携帯電話会社の復旧対策基地として利用されていました。その規模はとても大きく、被害の大きさもさることながら、早急の復旧を目指して多くの方々が対応してくださっているのがわかります。道中関西電力の災害対応特殊車両ともすれ違い、全国各地の電力会社が応援に来られていることもわかりました。

母の生家は、これは県道だったのかな、から町道、といっても車一台がやっと通れる山道なんですが、これを上って山の中腹にあります。大雨の後など度々地滑りがある場所なので心配していましたが、案の定この町道が地滑りで埋まってしまい、車で下りることができなくなっていました。

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幸いに家自体には被害がなく、道路に面した敷地の端の部分が地滑りを起こしているにとどまっていました。14日の段階では、町による道路復旧の工事が8割ほど終わっていて、未だ車を走らせることはできませんでしたが、程なく交通は回復することになりそうです。

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ただ、母の生家の下にあるお隣の家、この家は遠縁に当たる家ですが、台風によって茅葺き屋根を覆っていた鋼板の屋根が全て吹き飛び、また地滑りに巻き込まれて敷地は流され、建物も床下浸水していました。この家のおじさんが、庭で片付けをしていましたがその被害の大きさに声をかけることもできませんでした。

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僕が行ったのは、午後1時を回った頃でしたが、町の職員の方とボランティアの方が二人一組で家々を回り、おにぎりなど食料を届けたり、被害状況の調査をされていました。また、千葉のご当地ヒーローが元気を配っていました。なかなか伝わりにくい部分ですが、こうした現場レベルで支援してくださる多くの方々によって、被災者の方々の身体面、精神面のケアがなされているんだと、改めて思いました。

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9月15日現在鋸南町は、停電、断水が続いています。WIFI環境、携帯電話は15日、今日復旧しました。幸い母の生家は、自家発電機を持っていたため、冷蔵庫も生きていましたし、夜お風呂にも入れるとのことでした。この地域では給水タンクを設置している家も多いのですが、ポンプアップするのに電気が必要なため、停電してしまうと水があっても利用できないとのことでした。

また、停電のため、近隣のお店はほとんど休業になっています。日用品や食料が不足しています。家屋の損壊など、ブルーシートや建築材料、職人さんの手などもSNSなどを通じて救援をお願いされていました。

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今回は、電気、水道とも日常生活には程遠いとはいえ生きていたため、生鮮食料品なども持って行きましたが、肉や野菜など手に入らないため喜ばれました。他にはお菓子類や菓子パンなど、被災者の方々は肉体的にも精神的にも疲労されているため、こうしたものを喜んでいただけるようです。日用品は、トイレットペーパーやティッシュ類の他、食器を洗わなくていいようサランラップを大量に持って行きました。

15日夜、おじから電話があり、携帯電話が繋がったと連絡を受けました。昨日のお礼もおっしゃってくださいましたが、被災されて疲れもピークといった表情をされているのに気遣いされていることに心が痛くなりました。今回の台風被害では、本当に多くの方々が支援くださっていて感謝申し上げるとともに、被災地の1日も早い復旧、そして日常生活が戻られることを心から願っています。

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