スーパータクマーというレンズと江月水仙ロード

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こんにちは。

年末年始で緩みきった心と体を戻そうと思っていたらさっそくの三連休で、心砕かれる今日この頃、皆様良い年始をお迎えになられましたでしょうか。ただ単に僕が連休を言い訳にして、ぼーっとしているだけなんですが。

年末年始といえば財布の紐も緩む時期、年が明けて物欲大魔神である僕も何か買いたいという衝動に駆られてしまい、大変でした。特定のものではなく「何か」というあたりに闇の深さを感じますが、カメラレンズ界隈をググっていましたら、ちょうどいいオールドレンズが見つかってしまいました。

そのオールドレンズとは、ペンタックス(PENTAX)(旭光学)が1960年代に販売していたスーパータクマー(Super Takumar)です。

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スーパータクマーはそれまでの半自動絞りのオートタクマーを引き継ぐかたちで1961年から製造が始まった全自動絞りのレンズです。一眼レフカメラに焦点を当てたもので、1964年に登場したPENTAX SPのヒットと合わせて、大量に製造されました。当時としては、安くて良く写るレンズだったんですね。

このレンズ、オールドレンズとしては入門レンズと位置付けられています。M42スクリューマウントなので汎用性も高く扱いも簡単、オールドレンズならではのクラシカルな表現の他、なんといっても流通量が多く、安く手に入ることが大きな理由であると思われます。

僕もヤフオクで一週間ほど探していたのですが、比較的簡単に状態の良いものを手に入れることができました。状態が良くても1万円ちょっと、少し前であれば1万円以下で手に入ったようですが、昨今のオールドレンズブームで値上がりしているようです。とはいえ、現行品のレンズやプレミアムなオールドレンズに比べれば、非常に安価に手に入れることができます。

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僕が購入したスーパータクマーは、55mmf1.8の前期型になります。50mmf1.4が1964年に販売開始されるまで、PENTAXの主力単焦点レンズとして活躍しました。50mmf1.4の方が光学性能的には優秀なんですが、それゆえ現代的なレンズに近づくため、オールドレンズならではのクセは弱くなります。短所は今となっては個性に変わり、それゆえレンズの特性のあばれ具合を楽しみたいということであれば55mmf1.8を選択するということになるかと思います。好みは人それぞれなので、一概にどちらが良いとかおすすめとかはいえないと思いますが。

55mmf1.8には、前期型と後期型が存在します。色々異なる部分があるのですが、最も大きな特徴としては、後期型には放射性物質を使用した光学ガラス(トリウムガラス)が使用されている点です。通称アトムレンズというもので、このレンズには大きな欠点があり、経年劣化でレンズが黄変することです。この黄変を嫌うのであれば、少し値は張りますが前期型の購入をお勧めします。

今回手に入れたレンズは、予想していたよりもずっと状態が良くて、それだけで嬉しくなってしまいました。手に入れたからにはさっそく撮影したくなります。僕はレンズマニアではないので、レンズはあくまで撮影の道具、撮らないことには話になりません。休日を利用してのドライブを兼ねて、試し撮りに行ってきました。

場所は、千葉県安房郡鋸南町の江月水仙ロードです。この時期花を撮影しようとすると限られてしまいます。南房総まで足を伸ばせば、色々な花を楽しむことができますが、今回は自宅から車で1時間30分程度で行けるこの場所を選びました。水仙の時期としては少し遅いかなと思いましたが、今年は咲くのが遅いらしく、まだまだ水仙の花を楽しむことができました。

せっかく癖の強いレンズを手に入れたので、今回の撮影では最大限その癖を楽しみました。レタッチをほとんど行わずにこんな写真になるのですから、とても面白いですね。いくらか写真をここに載せますので、新春の水仙を楽しんでいただけましたら幸いです。

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このレンズは、解像の低さによる柔らかな描写と彩度の低さが特徴ですね。撮影の仕方で玉ボケも簡単に出ます。

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特徴的なのは、ゴーストやフレアが出やすいこと、逆光、半逆光で簡単に写り込んでしまいます。このレンズならではの面白さですが、当時としては順光以外では撮れないクセ玉という扱いだったのかもしれません。

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ソフトフォーカスのような柔らかな描写が特徴です。

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こんな写真も楽しいですね。

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菜の花も咲いていました。

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豊かな田園風景。レンズ特性によって、古い写真のようにも見えます。

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だんだんゴーストの方に気が行ってしまう僕。

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光の効果ばかり追い求めて構図など気にもとめず、もはや何を撮っているのかわからなくなってしまいました。

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いかがでしたでしょうか。オールドレンズの独特の風合いを楽しむのも一興です。

オールドレンズは、フランジバックが短いという特徴ゆえにミラーレスカメラとの相性が良いのですが、それが昨今のオールドレンズブームにつながっているようです。オールドレンズとカメラを繋ぐにはマウントが異なるため、専用のマウントアダプターを購入する必要がありますが、こちらも3000円くらいで良好なものを手に入れることができます。マウントアダプターの値段と性能はピンキリなので、あまり安価なものはお勧めできませんが、焦点工房が出しているK&F CONCEPTのシリーズなんかは良いようです。

写真を趣味にされている方も、これからカメラを購入しようかと悩まれている方も、オールドレンズを使用してのこうした楽しみ方もありますので、ご興味のある方は是非ご検討されてはいかがでしょうか。

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