千葉M邸新築工事現場 -2020年5月末日時点進捗-2

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こんにちは。

前回のブログに引き続き、千葉M邸新築工事現場 の5月末日時点での進捗についてレポートしたいと思います。

コロナ禍の影響もあり、職人さんの手も減らしながらの工事であったため、僕も多少の遅れを心配しておりました。当初7月末のお引き渡しを予定しておりましたが、衛生設備機器の納期の遅れと外構工事を新居に入居する際にはできるだけ終わらせたいという建主さんのご要望もあり、建主さんにお引き渡しを1ヶ月待っていただいて8月末のお引き渡しとなりました。建主さんには、現場の丁寧な施工をご理解いただいた上で工期の延長をご承諾いただきましたことをお礼申し上げます。

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現在、大工工事も終盤を迎えています。階段の施工も概ね終わり、大工造作による家具工事を進めていただいています。

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この写真は、和室から階段を見たところです。左手の構造用合板の壁の向こう側がリビングになります。リビングの開口から階段室、和室へと境界を分節しながら流動的に空間が繋がります。リビングの天井高は、3.4mですが、和室は2.1mと低く抑えています。これは、和室が座位の部屋であることと、場所ごとに空間の質を変えていこうと意図しているからです。質の異なる空間は、それだけで自立もしますが、質の異なる空間同士が関係を結んで、より豊かな場をつくることにもなります。

和室と階段室は空間的につながっていますが、引戸で仕切ることができます。ちょうど建具を全面開放すると写真のようになります。和室のコーナーにある化粧柱は檜(ヒノキ)で大工さんが選んでくださいました。

階段は、コストを抑えるために2×10(ツーバイテン)材という木造壁式構造に使用される規格寸法のもので大工さんに施工していただきました。この材は、節も多く柔らかい木なのですが、足触りが良いので建主さんにご理解いただければ僕の事務所ではよく使います。曲がりなど捻くれたものも多いため、大工さんに素直な材を選定していただきました。

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階段を上がると2階の廊下に出ます。和室の上は、御夫婦の寝室になっています。天井は、垂木に野地板を張った写真のものが仕上げになります。この天井、躯体が表しになっているためローコストと思われがちですが、野地板の上で断熱や配線をしてその上に屋根の下地をもう一度施工するため、手間のかかったものです。

寝室の上部が開口になっていますが、寝室に入る光を間接光としてに階段室まで届けます。最終的にはガラスが入りますが、隣接する空間につながるという視覚効果は、閉じた部屋であっても伸びやかな印象を与えます。

階段の手すりは、今回コストを抑えることも検討して木製としました。僕は以前は、材を薄く、細く、繊細に扱うことばかり考えていましたが、最近は材の特性に応じて無骨なものは無骨なりのデザインを好むようになりました。気を抜くと野暮になってしまいがちな箇所ですが、うまく処理できればと考えています。

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こちらも2階の廊下になります。右手の構造用合板の壁の内部は、1階が天井の高いリビングとなっていて、その上部に2階の廊下から1.2m高い床の子供部屋があります。2階のそれぞれの部屋は、この廊下を介して程よい距離を確保しながら、開口を設けることで閉じない工夫をしています。廊下正面は、1階からの吹き抜け、写真左手前の部屋は、建主さんの趣味の部屋になります。

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2階子供部屋の開口から階段室を抜けて1.2m床の低い主寝室を見通しています。床高の違いと室内開口の開け方で空間が連なりながらも程よく分節され、プライバシーが確保されるように設計しました。開口部には全て建具がはめられ、開閉できるようになります。

子供部屋の構造用合板の壁ですが、小口が白い木製になっているのがお分かりでしょうか。ここにはシナの突板を貼っています。ちょっとした工夫ですが、こうした設計操作が余計なディティールを消すことになります。職人さんの手の跡を残すというのは、決して大ぶりで逃げの多い、精度を欠いたものを作るということではありません。そして、人の手の跡を残すものほど、細部に気を使い、大胆さとシャープさを兼ね備えた設計が要求されるのだと思います。こんなことを書いてしまうと僕の逃げ場がなくなってしまうのですが、こうしたことの多くは設計の手腕にあると思うのです。

と、今回はここまで。6月中には大工仕事も概ね終わり、建物の完成が見えてくると思います。早く完成を見たいと思いつつも、工事途中のこの段階が愛おしいんですね。日々職人さんが、精度の高い施工を進めてくださっています。ちょっとした工事の進捗を見たくて週に2回も現場に行ってしまうと、大工さんに「そんなに聞くことないよ」という感じで冷たくされてしまうので、現場へはほどほどに伺おうと思っています。

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