千葉M邸完成写真と建物についての具体的な説明7 -子供部屋・趣味部屋-

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こんにちは。

本ブログで連載していました「千葉M邸完成写真と建物についての具体的な説明」も7回を数えることとなりました。今回は、2階の子供部屋と趣味部屋についてご説明していきます。今回で、この住宅についてひと通りの説明が完了することになります。

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まずは子供部屋について。

小学校低学年と未就学児の二人の男の子のための部屋です。
正方形の部屋に入ると四方が開口になっていて、北面は廊下とつながり、南面は庭に面したテラス、西面と東面はそれぞれ玄関ホールの吹き抜けと階段室に開いています。

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一階の天井高のあるリビングの真上に位置し、屋根の構造材表し、天井の高さを低く抑えた部屋になっています。

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住宅に関する都市伝説的なものに、「子供部屋にはリビングを通らないと行けない工夫を」というようなものがあります。家族とコミュニケーションを図る工夫として一理ありますが、それで家族が仲良くなるとか、子供の情操性が上がるとかいうことには私は懐疑的に思っています。なぜなら仲の良い家族は、どんな住環境であっても仲が良いですから。

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私が個室、特に子供部屋の計画で気を使っているのは、そこが行き止まりになることの閉塞感を緩和したいということです。

つまり、パブリックな空間を通過しないとプライベート空間へ行けないことよりも、プライベート空間が行き止まりであり、閉じた部屋になってしまうことの方が居心地が悪いようにも思うのです。欧米などでは個人の権利が徹底していますから、幼い頃より個室と公共性のある空間の使い分けが明確になっていますが、日本の場合は、プライバシーよりも間取りの自由度を優先してきた歴史的な背景があり、家では下足を脱ぐのと同様に、生活のフレキシビリティや家族間の距離の取り方などにも染み付いた形式性があるように思っています。

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今回もプライバシーを確保しながらも、個室の奥にさらにパブリックな空間が開かれるということを意図して計画しています。強制的にプライバシーを侵害するのではなくて、なんとなく家族の場所に繋がっている安心感を大切にしたいと思っているんですね。

こちらの個室、お子さんが大きくなったら二部屋に仕切る予定です。子供に完全な個室が必要な時期って、そんなに長い期間では無いと僕は思っています。

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続いて趣味部屋をご説明します。

この部屋は、文字通り建主の旦那さんの趣味部屋になります。旦那さんの趣味は、パソコンをいじられることで、分解したり組み立てたりと沢山の機器に囲まれることを想定しているため、高い天井高を利用して小屋裏収納(ロフト)付きの部屋としています。趣味部屋自体は4畳ですが、ロフト空間を含めると8畳間になり、機器の収納を考慮しても比較的余裕ある広さになっているかと思われます。実際旦那さんは、この部屋で寝られるそうで、小さなお子さんたちも一緒に夜を過ごされることを想定されているとおっしゃっていました。

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2階は全て個室が計画されていますが、各室間に緩衝帯としての動線部分が指し込まれ、また個室に入ってその先にさらに公共性のある空間に開くという仕掛けをしています。こうした工夫は、お家を立体的な空間ボリュームとして捉えた計画をするとともに、家族間の距離のあり方、プライバシーについての考え方を問い直すことを意図してもいるのです。

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