いろは設計室設計『河口湖の家』完成写真1-外観

こんにちは。

師走に入り、厳しい寒さが続いています。今日は12月23日、明日はクリスマスイヴですし、また今週で仕事納めの方も多いかと思います。年末年始のお休みまでもう少しですが、僕は、今年中にやっておいてしまいたい仕事もまだ残っており、年内ラストスパートといったところでしょうか。

さて、12月11日の土曜日に、東京や千葉を拠点にご活躍されている「いろは設計室」さんが設計監理された木造平家の住宅を撮影させていただくために、山梨県の河口湖まで行ってきました。

当日の河口湖は、千葉と比べるとぐっと気温も低く、朝のうちガスが濃くかかっていましたが、午前9時ごろから晴れ間ものぞき、撮影にはちょうどいい天候となりました。

この住宅の建っている敷地は、河口湖駅からほど近く、敷地の南側には富士山を大きく臨むことができます。決して大きくない住宅でしたが、仕様はハイスペックで、無垢材など自然素材をふんだんに使った高級感のあるお家でした。この住宅についての詳細は、「いろは設計室」さんのホームページやブログ、Instagramでご紹介されているものをご覧いただければと思います。ここでは、撮影した写真とともに撮影に際して感じた僕の印象を書ければと思っています。

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建築は、各室が南のお庭に面した東西に長い木造の平屋になります。屋内の天井高をコントロールするために、屋根勾配を場所によって変えているんですね。外構は建主さんご家族が住まわれてから徐々に作られていくようです。外構ができた様子をイメージしながら、植栽の入ったお庭に面した建築の写真も撮ってみたいなと思いました。

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屋内からフラットに続くウッドデッキが、とても気持ち良かったです。奥行きのある縁側なので、気候の良い時には、椅子を出してお茶を楽しんだりできますね。

リビングダイニングの外部建具は木製で、非常に高級感があります。開口が大きいため、のびやかな印象を受けます。この開口部の正面にドカンと富士山を拝むことができます。それも意識されて、ハイサイドライトも計画されたとのことでした。撮影時、敷地南側のお庭に工事関連のものが置かれていたため、開口越しの富士山を撮れなかったことが残念ではありましたが、建主さんは毎日富士山のある借景を楽しまれるんだと思います。

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木製建具越しにリビングダイニング を臨みます。無垢材、無節のフローリングがとても上品で高級感があります。壁や天井は、左官で仕上げられていて、光を一度取り込んでから柔らかく吐き出すような感じがとても美しいです。壁は淡いグレー色でしたが、これがまた品が良くて、ちょっとした設計者の選択なんですが、センスよく気を使われていました。

屋内の木製造作家具や内部建具も木製で、こちらは全て無垢材で作られていました。僕は、実はこうしたものを無垢材で作ったことがありません。理由は、高級だからです。突板合板を組み立てたフラッシュですとか、大工さんの使われるランバーで作るのですが、僕も一度は無垢材で建具や家具を作ってみたいですね。

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この住宅、写真ではなかなか伝わりにくいのですが、建築外観のスケール感がとても心地良かったです。内部において天井高をコントロールしていて、低いところをグッと切り詰め、高いところはのびやかに片流れで迫り上げています。この内部の空間コントロールが外観にも反転して反映されていて、身体スケールの延長に捉えているような丁度良さを感じるんですね。スケール感というのは、造形や空間操作と同じように設計者の感性と手腕によるところが大きいので、今回僕も実際にこのお家を拝見して、多くを勉強させていただきました。

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夕景。開口部から溢れる照明の明かりが美しいです。

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東西に続くウッドデッキが、外部で各室をつなぐ外廊下としても機能します。

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趣味人としての設計者の感性が、とても上品に、そしてセンスよくまとめられているこの住宅ですが、それは同時に住まい手にとっても極上の快適な住まいを実現してもいます。建築の一つのあり方を示す好例であり、住宅のあるべき姿の系譜の一つでもあるのだと、僕は今回撮影を通じて考えることができました。

「いろは設計室」さんの設計された『河口湖の家』、内部がまた素晴らしいのですが、これについては次回ご紹介いたします。写真ボリュームもありますので、ブログを分けてじっくりとご説明できればと思っております。

今週はクリスマスもあり、一気に年末ムードといったところですが、みなさま温かくされてお風邪などひかれませんようどうぞご自愛くださいませ。