キャンプ用木製薪ラックのカスタム

こんにちは。

気がつけば12月ももうすぐ半ばに差し掛かり、年末の忙しない時期がやってきます。僕も年内にやらなければならない仕事がまだまだありますが、無理せず一つ一つ丁寧に片付けていければと思っています。

以前ご紹介したキャンプで使用する薪ラック、奈良の木工房「カタチ工作所」さんが作ってくれたものですが、実際にキャンプサイトで使用する前に、DIYで塗装を施すことにしました。ちょうど「プラネットジャパン」さんからサンプル塗料をいただいていたので、これを使って塗ってみることにしました。

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いただいたプラネットジャパンの塗料は、ドイツクライデツアイト社とプラネットジャパンが共同開発した「プラネットカラー」といって、100%植物油とワックスを使用した天然木材用保護塗料です。僕たちが設計した住宅の木製外部建具でも使用しましたが、施工のしやすさと安全性、高い耐候性が魅力で、今後の設計案件で使用の幅を広げたいと思い、試し塗りをしてみようとサンプルをいただいていたものです。

今回薪ラックに使用するのは、プラネットカラーウッドコートのグロスクリアオイルとプラネットOPシリーズのOPエボニーになります。ウッドコートのグロスクリアオイルは、下地の木目を生かした透明な塗装で、主に屋内使用に適しています。プラネットOPシリーズのOPエボニーは、塗り潰しタイプのもので、高い耐候性があり屋外使用が可能です。薪ラックは、屋外使用とはいえ、恒常的に屋外使用するものではないため、ウッドコートでも問題ないと思いこれも使ってみることにしました。

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キャンプで使用するテントを黒いものにしたため、薪ラックにも黒の挿し色を入れたいと考え、4脚ある薪ラックの足のうち1本を黒く塗ってみることにしました。これは塗り潰しタイプですので、木の素地の風合いはなくなってしまいますが、ハッキリした強い色味を出すことができます。残りの3本には、ウッドコートのグロスクリアオイルを塗り、赤松の素地感が残るようにしました。

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いかがでしょうか。無垢の時とはずいぶん感じが違っています。そしてこの黒い脚に「カタチ工作所」さんからいただいたステッカーを貼って完成です。

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「カタチ工作所」さんからいただいておいてなんなんですが、これはカッティングシートの方がビシッと決まるななどと思ったりもしましたが、それでも「カタチ工作所」さんを宣伝するのにはいいなと思っています。本当ならばガラスなんかに貼った方が良いのでしょうけど。

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これで薪ラックも完成しいよいよキャンプデビュー、といきたいところですが、完成した薪ラック、どうも座りが悪いといいますか、なんとなく中途半端な色分けになってしまったように思います。挿し色として黒を使用するというのは良いとして、全体のデザインバランスが悪いんですね。これでは、「カタチ工作所」さんに作っていただいた真っ新な無垢の時の方がよかったように思い、もう少し手を加えてみることにしました。

この薪ラックは、4本の角材を組んでできているため、デザインもミニマルで完結しています。これ以上引くところがないんですが、同時に何かを足していくことも難しいのです。色々検討した結果、黒く塗った1本の対面にあるクロスした角材も、同様に黒く塗ることにしました。木材どうしの設置箇所が少ないため、角材それぞれが自立しているように見えるのではないかという考えです。

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最終的に完成したものがこちらになります。思惑どおり4本の角材がそれぞれ自立しながら空間に宙吊りになっているような印象を受けます。無垢の木材と黒のカラーバランスも良いですね。完結して完成されたものに手を加えるというのは勇気が要りますが、今回はやってよかったなと思えました。

今回の薪ラックの塗装は細やかな作業ではありましたが、やっている事は建築の設計と同じで、完成をイメージしながらデザインの加減をコントロールして止め時を見極めるということです。小さなことでも常に自分をそうした状況におき続けることが自身を鍛える最短の術であり、それがまたデザインの醍醐味でもあるんですね。

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