東京広尾で開催された『ito10』へお伺いしました

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こんにちは。

2021115日金曜日、晴わたる秋空の中仕事の合間に東京広尾で開催されていた『ito10』へお邪魔してきました。

ito』は、お花屋さんであるとともにドライフラワーで創作された小物や花器などを作られているtomoさんと、ビンテージのボタンなどでアクセサリーを作られているナオミさんのお二人が不定期に開催されている展示販売もされている作品展です。僕がお伺いするのは今回で3回目ですが、この2年、コロナ禍で延期されていた同展も今回10回目を迎えることになりました。今回は、お二人の創作活動で知り合った複数の作家さんも参加し、お伺いした時はお客さんで溢れかえっていました。

tomoさんもナオミさんもお変わりなく、短い時間ではありましたが大変楽しい時間を過ごすことができました。

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今回も僕は、tomoさんが小箱に生けられた可愛らしいお花と、やはりtomoさんがプロデュースされた花器をお譲りいただきました。

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お花は秋の装いをイメージされたとのことで、大胆な構成と緻密な作業によって小箱の中にお庭が再現されているかのようでした。僕は、いつもこのお花を盆栽に通じるものがあると思っているのですが、掌に乗る小箱に小宇宙が広がっているような感覚に虜になっています。また花器は、福岡にある指定障害福祉サービス事業所「工房 陶友」で作られた陶器に作家のMERIYAさんが逆数字を描かれて作品として完成されたものになります。

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以前僕はブログでtomoさんの活動について作家表現と作品の自立性について書きましたが、今回は作品制作に関する「直感」の優位性について少し書いてみたいと思います。

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tomoさんやナオミさんの作品に通じるものの一つに「直感」的な感性があるように思います。直感というと勘に頼ったり、なんとなくこっちの方が良いというような曖昧な感覚をイメージされる方もいらっしゃると思います。しかし僕の考える「直感」というのは、作家ご自身に蓄積された知識や経験に基づいて最善を直線的に繋げる感覚のように解釈しています。一見論理的思考による積み上げられたもの作りの方が良いものになるようにも思うのですが、論理的思考というのは言語に頼る部分も多く、時に理屈っぽくなってしまったり、作品の自立性よりも言語による説明の方が優位に働いてしまったり、また思考の過程で思考そのものを言語がコントロールするようなことがあり、ピュアな感覚をrawな状態で作品に実体化するのを度々妨げることがあります。

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「直感」は、作家ご自身に蓄積された知識や経験に基づいていて、この膨大な情報を一気に取捨選択するとともに再構成、脱構築するものですので、発案が実体化までの過程で劣化しないんですね。その上で間違いが非常に少ない。時にものづくりにおいて、言語的な思考や説明、論理的な振る舞いを好む人がいますが、実体化した作品の強度にはあまり関係しないように思います。また逆に感性に頼って創作する人の中にもその人にストックされた情報量や、あるいはそれらを繰り返し取捨選択してきた経験値がないとやはり作品強度を担保するものが無いということもあります。

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tomoさんやナオミさんの作品を拝見していると、この「直感」に基づく作品づくりが非常に秀逸に思います。発案があり、その時の高揚感をほぼ生の状態で作品に結実する感覚、しかしそれを裏付けるのは膨大な知識量と経験値の高さによるものなんですね。

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僕はここで人間とは、なんて高尚なことを書くつもりはないんですが、失敗を繰り返しながらインプットを怠らず、且アウトプットをし続ける人を尊敬しています。そうした人の多くは「直感力」に長けているように思います。「直感力」のある人は、今まで重ねてきた知識の厚みとともに、人生経験の深みもある方ではないでしょうか。

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この日は、この後事務所に戻って仕事をしたのですが、お花と花器をお譲りいただいたことが嬉しくて、仕事も漫ろにその場で開封、撮影会が始まってしましました。tomoさんからドライフラワーで作られた小さなオブジェもいただいて、帰ってからもとても穏やかで楽しい時間を過ごすことができました。

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それにしても『ito』というネーム、紡ぐ、編む、織る、結ぶといった人生や人との関わりをイメージする素敵な名前だなあと思い、tomoさん、ナオミさん、またお会いしたことはなくとも作品に息を吹き込んでくださった方々にあらためてお礼を申し上げたいなと思ったのでした。

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