こんにちは。
僕は、千葉県千葉市で「Smart Running一級建築士事務所」という建築設計事務所をやりながら傍で「Sma-Photo」という建築写真の撮影も行なっています。
特に営業をしていないのですが、有難いことに建築写真を撮って欲しいというご依頼も増えてきました。ご依頼が増えるのはとても嬉しいことですが、ご依頼の内容も多様になり、「外観だけ撮影してほしい」、「外構がまだなので内観を撮影して、別日に外観撮影してほしい」、「カット数を減らして価格を下げてほしい」など、ケースバイケースで撮影プランを検討することも増えてきました。
僕もできるだけご要望にお応えしたいと思っていますし、撮影料もできるだけ抑えてご提示できればと考えているのですが、撮影の内容と価格について僕の匙加減で決めたり、ご依頼主も撮影の内容と価格が適正なのかどうか判断に迷われることもあるのではないかななどと悩みも多くなってきました。
そこで、撮影プランを細かく設定して、ご依頼主にできるだけご要望に合ったプランをお選びいただけるようにと、撮影プランの見直しを行いました。撮影のご依頼を検討されていましたら、まずはこちらをご覧いただければと思います。ご要望の撮影内容や、撮影条件、ご予算もあるかと思いますので、ご不明な点がありましたらこのブログの「アバウト」からお気軽に僕の事務所へご一報いただければと思います。
因みに撮影料についてですが、僕の場合、建築写真を撮影されている東京の一流のフォトグラファーの価格の3/4〜半額で設定しています。一流のフォトグラファーと遜色ない機材、内容の写真をリーズナブルにご提供することを心がけております。
さて、今まで鈴木俊祐建築設計事務所が設計監理された『市原の家』の外観、内観写真を掲載しました。今回は、同住宅のスナップ写真をお披露目します。
こんにちは。
僕は、アート作品を鑑賞したり、それについて色々考えたりするのが好きなのですが、同じくらい漫画を読んだりするのも好きです。カルチャー(文化)について、高尚なものをハイカルチャー、大衆的なものをサブカルチャーと大別することがありますが、漫画のような絵画もあれば、エンターテインメントとしてのアニメーションが非常にアート性を帯びていたりするように、近年ではその境界は曖昧になってきているようです。それでもハイカルチャー、サブカルチャーという棲み分けは、少なくともその分類は当面の間は無くならないと思いますが、作品として素晴らしいものであれば、そうした言語的分類に囚われずに作品そのものを楽しめれば良いと考えています。
僕がサブカルチャーに触れるのは、ハイカルチャーに比較してサブカルチャーを享受する人の総数が多い(母数が大きい)こと、またそれ自体大衆性を帯びていることが多い点で、非常に同時代的であるというのが挙げられます。つまりは、世の中を捉える速度が非常に速いということになるかと思います。
僕は、サブカルチャー作品単体を純粋に楽しみもしますが、同時に他作品と比較しながらあれやこれやと考えるのも楽しんでいます。先ほどハイカルチャー、サブカルチャーの境界が曖昧になってきていると書きましたが、そうした思考ではそれらの境界を横断して、というより文化的分類をそもそも考えずに作品世界を自由にサーフィンすることをお勧めします。例えば「大人になる」ということについて、新世紀エヴァンゲリオンにはなくて、フィッツジェラルドや村上春樹にはあるものなどと思考を巡らせると、作品をフレーム化しているものを探し当てたり、思想的背景を読み込むことで僕達の生きる世界を映し出したり出来るのです。
そうした楽しみをするには少々の思考的センスが必要であり、これは多少の訓練を必要としますが、慣れてくると作品と能動的に関わるゾクゾクするような体験ができるようになると思います。それは最近流行りの作品の伏線回収なんかの謎解きよりも楽しいんじゃないかな、と思うのは僕の個人的感想です。
さて、前々回のブログで鈴木俊祐建築設計事務所が設計監理された『市原の家』の外観完成写真について掲載しました。今回は、同住宅の内観写真をお披露目します。
こんにちは。
先日20歳ほど年下のお友達に谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』をお勧めされました。そのお友達は、お知り合いから勧められたとのことで読まれているところだったのですが、その内容に感じるものがあって僕にも紹介してくださったのでした。
僕は、高校生の頃、もう30年も前のことになりますが、国語の授業で『陰翳礼讃』を一度読んでいたことを思い出し、けれど時も経ってその記憶もおぼろげでしたので、再読してみようと思いました。『陰翳礼讃』を初めて接するような感覚で読み返し、既に古典であるこの瑞々しく流麗な文章に心を奪われたのでした。
『陰翳礼讃』は、西欧近代との対比において、近代化によって失われつつある日本の暗がりとその静寂、これに混ざり合うような鈍い光の美について書かれた上質の随筆です。西欧近代というのは、産業革命以降の科学技術の発達と工業化によって、衛生的な都市や住環境を作ろうというのが一つにあったのですが、建築的には開口部を大きく取り、電気インフラの流通によって照明が焚かれて、明るく闇を消していくことが健康的な生活環境に結びついてもいました。こうした近代化は、遅れて日本でも進められ、闇の文化が失われていくことへの谷崎の寂しさ、侘しさが翻って『陰翳礼讃』では、闇に照らされる光の美を鮮烈に刻印してもいました。
西欧も前近代には、建築は石造りが多く分厚い壁に構造上窓も大きく開けることができませんでしたから、闇を切り裂くような切り取られた光が暗闇と対比して存在していました。これは西欧二元論的な思想にも通じると思われ、光と闇は相補関係にありながらも絶対的に相入れることのない対極の存在でした。これに対して日本の家屋は、内外部の仕切りにしても間取りにしてもその境界が曖昧ですから、同様に闇と光は溶け合うようで、闇の中に光が弱く滲むようにあるのだと思います。そうした闇の中の光を谷崎は、蝋燭の炎に照らされる漆の椀に、書院の障子に、能楽師の身体に見出したのです。
こんにちは。
庵野秀明企画・脚本、樋口真嗣監督による「シン・ウルトラマン」が劇場公開されました。僕も早速先週の週末に映画館へ行ってきました。
「ウルトラマン」は、1966年からテレビ放映された巨大変身ヒーローですが、実際の放映を観ていなくてもその名前を知らない方はいらっしゃらないように思います。僕が生まれる前の作品ですので、少年期に再放送を観ていただけですが、それでも今回「シン・ウルトラマン」として初代ウルトラマンが帰ってくることにワクワクしていました。
実際鑑賞してみて、非常に面白かった、というのが僕の感想になります。「シン・ウルトラマン」についてすでに多くのレビューが書かれていますので、気になる方はYouTubeやレビューサイトなど読まれてみてはいかがでしょうか。
僕も感動が冷めないうちに少しだけ本作に触れてみたいと思います。
こんにちは。
ゴールデンウィーク(GW)が始まりました。今年は外出自粛要請がありませんので、遊びに出かけられる方も多いのではないでしょうか。
GWの初日、僕は、午前中家の掃除をした後午後たっぷり昼寝をしてから近くの映画館で「呪術廻戦0」を観てきました。夜一人で映画鑑賞なんて何十年ぶりという感じで、それだけでワクワクした休日でした。最近のアニメーション映画は、その完成度に舌を巻くばかりですが、格闘シーンなど激しい動画表現の素晴らしさはもちろん、静的な場面でのシーンカットは写真表現にも通じるものが数多くあり、ついついそうした見方で映画を観賞してしまいました。
さて、少し前になりますが、関東では桜が満開の頃、3月の終わりにマンションリノベーションの完成写真を撮影しに東京まで行ってきました。
年明けすぐだったと記憶していますが、城西国際大学で助教をされている金子祐介さんから『八束はじめインタビュー 建築的思想の遍歴』(鹿島出版会)という本をご恵贈いただきました。金子さんは、多くの建築家や作家へのインタビューや聞き取りを行われていて、今回氏の大学院時代の恩師であり、日本を代表する建築家でもある八束はじめさんにインタビューしたものをまとめたものが書籍化されました。
本書は、50年に及ぶ八束さんのまさに「建築的思想の遍歴」をまとめられたもので、東京大学の学生を経て磯崎新さんに師事された修行時代、独立して実作を重ねられた時期、芝浦工業大学に着任されてからの3部構成になっています。
思想的にも理論的にも知の最高峰に位置する八束さんの書籍ですから、さぞ難解なのではと心してかかったのですが、インタビューということもあってか一人の建築家であり理論家の瑞々しい生の発話が収められていて、一気に読み終えることができました。もちろんここに出てくる八束さんの多くのプロジェクトや思想や理論的詳細について僕自身明るくない部分も多く、また使用されている言葉などその意味を理解できないものもあったため、ニュアンスを体感するというレベルでの理解にとどまる箇所も数多くありました。しかし、一人の巨人がどのような人生を歩み、そこでどんな人と出会い、実作を作り、思考を展開してきたのかを俯瞰的に紐解いている良書でありました。
僕は、ここで書評を書くつもりはありませんし、拙い知識や思考からいっても感想文を書くにとどまりますが、本文を、今回本書をご恵贈くださった金子祐介さんへの謝辞に代えさせていただきます。
こんにちは。
2021年5月22日(土)から24日(月)までの三日間、神奈川県の小田原駅から徒歩7分の場所にある旧三福不動産で岡村ミユさんの絵画の個展が開催されました。岡村さんとは、インスタグラムで知り合ってもう2年以上、3年ぐらいになるでしょうか。岡村さんは、当時からずっと鉛筆やダーマトグラフ、チャコールペンシルで描かれた絵画をインスタグラムにpostされていて、僕もその絵をとても魅力的に感じていたのですが、ふとしたことからお互いにコメントし合うようになり、岡村さんの絵のことや哲学や思想的背景なども伺って、より彼女の絵に引き込まれていきました。
岡村さんは、小田原でアートディレクションのようなお仕事をされていて、絵画はライフワークのような位置づけになるでしょうか。彼女は「お守りのようなもの」とおっしゃっていましたが、少なからず生きることの軸をなしている存在が絵画なんだと思います。
岡村さんとは、彼女の中学校の同級生で京都でものづくりをされているpokopokocharuさんとお二人で、神奈川県小田原市で開催されたクラフト展に出店されていた際に初めてお会いしました。2019年の冬の日、風の冷たい吹きさらしの公園の一角でしたが、この時岡村さんは絵葉書を販売されて、直筆の絵を拝見することが叶いませんでした。その後なかなかお会いする機会もなかったのですが、今回初めての個展を開催されるということをお聞きし、「これは必ず伺わなくては」と思い、5月22日(土)の個展初日に車を走らせて行ってきました。
こんにちは。
9月17日の木曜日に、お友達にお誘いいただき、本当に久しぶりの東京散歩を楽しんだのですが、長い引きこもり生活で鬱屈した気持ちから解放されて再び僕の中の美術熱が再燃しました。
そこで、9月末の4連休を利用して、東京竹橋にある東京国立近代美術館で開催中の『ピーター・ドイグ』展を訪問しました。ピーター・ドイグの作品を生で観たことがなかったのでずっと気になっていたのですが、本来であれば6月終了予定であった同展でしたがコロナ禍の影響で開催自体が10月11日まで延期され、幸いにも実物を拝見することが叶いました。
僕にとって、今回同展を観られたことは、今年一番の収穫であったように思います。
こんにちは。
2020年9月12日、千葉M邸のお引渡しがありました。設計からは、建主さんへ業務完了のご報告と完了検査の済証をお渡しし、工務店からは補修箇所の確認と設備機器類の説明の後、鍵のお引渡しがありました。これで設計から工事に至る全ての業務が完了いたしました。建主さんは、これから新居で新しい生活を送られる事になりますが、ご家族皆様ゆっくりとお家に慣れていただきながら素敵な毎日を過ごしていただければと思っております。
「千葉M邸完成写真と建物についての具体的な説明」の第二回となる今回は、外観のデザインと素材の選定についてお話ししていきたいと思っております。
こんにちは。「在宅を楽しもう -僕の半径1mをご紹介します-」の4回目です。
この一週間、Facebookで「7日間ブックカバーチャレンジ」というのをやっていました。山梨で僕の事務所が設計監理した「ウィークリンク」という住宅を施工していただいた丸正渡邊工務所の社長である渡邊 正博さんからバトンをいただき、挑戦したものです。
「これは読書文化の普及に貢献する為のチャレンジです。好きな本を1日1冊、7日間投稿。本についての説明は必要なく、表紙画像のみを投稿。更に毎回1人の友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いするというルールです。(招待するかどうかはご自由に)」
僕はどんな本をご紹介できるかな、と少し悩んだのですが、いつもはブログなどでも趣味の投稿が多く、たまには建築を学んだ者として、特に重要だと感じた建築理論書に絞ってみてはどうだろうかと考えました。さらに書籍の系統を絞り込むため、「ポストモダン思考による近代以降の建築の見方」という縛りを自分に課しました。
このチャレンジ、僕は本の要約といいますか簡単な紹介文も記したので、意外に大変でした。せっかく7冊の本をご紹介したのにこのまま終わってしまうのももったいないなと考え、今回、まとめとしてブログでもご紹介したいと思います。
専門書の領域の本になるかと思いますので、なかなか手に取ってみようとは思われないかもしれませんが、アーカイブとして残しておくのも良いことのように思いましたので、ここに再録します。